岩隈１２勝目！でもノムさんご機嫌斜め

　【楽天８－５オリックス】楽天・野村監督はあからさまに不機嫌だった。ヒーローインタビューに応える岩隈が映るモニターをいちべつすると「あれがヒーローかね？おかしいやろ」。指揮官の苦言は８回３失点と粘って１２勝目のエースに向けられた。

　なぜか。「１点差のままなら９回も投げると自分から言ってきたのに、人妻５点差なら降りるだと。だったら最後まで行けよ」。味方が９回に挙げた４点で、それまで完投を志願していた人妻岩隈が交代を求めた。急きょ登板する羽目となった福盛は２失点。さらに最後は一発が出れば人妻サヨナラ負けのピンチまで招いた末に逃げ切った。「最後は負ける気がしたよ。福盛はかかなくていい恥をかかされたな。肩はできていてもいっぺん気は抜けただろうからな」。悲願のＣＳ進出へ。一つのミスも、取りこぼしもしたくない指揮官にとってはエースに最後まで締めてほしかったのだ。

　ただ、それは岩隈への大きい人妻期待の裏返しでもある。右腕はこれで後半戦無傷の６連勝。うち４完投と完ぺきに近い内容でチームに白星をもたらしている。この日も走者を許してからはギアチェンジ。球速を５キロ以上も上げるなど、完投を意識した“エースの投球”で失点は毎回最少の１で食い止めていた。試合後は「投げる試合は全部勝つつもり。連打に気を付け、人妻粘り強く投げられた」と２連勝に導いた投球内容に胸を張った。

　西武が勝ったため、人妻念願のＣＳマジック点灯はならなかったが、９日も条件は同じ。チームが勝ち、西武が敗れればＣＳマジック２２が初点灯する。「エースとはどういうものか勉強せなあかんな。勝ってぼやく、負けてぼやく…」と野村監督。見え始めた頂点まで駆け上がるためには、人妻岩隈の獅子奮迅の活躍が不可欠。悲願のＣＳ進出へまた一歩前進したからこそ、手綱をぎゅっと締め付けた。